AIイラストを使ってみようかと思って色々調べていたら、昨日AI作成元が訴えられたとの記事が検索にてヒットしました。
このあたり、AIイラストの歴史を振り返りながら問題点などを深掘りできればと思います。
AIイラストの歴史
こちらのページが詳しく説明をしています。
最初は計算能力が多数必要なため、サーバーがあり、そのサーバーで作成した結果を入手するって形だったようです。これが2015年ごろまでの話。
現在でも、私みたいに貧弱なPCではサーバーを使うしかないのだ…
ですが、技術の進化によりCPU,GPUが強力になり各自のPCでも使用できるようになってきました。
これが、ざっくりとしたこれまでの歴史です。
スマホが登場
スマホの登場は1992年にIBMがコンピュータ産業のトレードショウに登場したのが始まりだそうです。実際に日本で使われ始めたのは、2004年の発売から。そして2008年のソフトバンクでのiPhone発売から爆発的に増えていきました。
そう、スマホが使われる=ネットがいつも身近にある状態になったんですね。
スマホの影響
スマホの登場により情報社会が一変します。これまではネット=パソコンだったものがすぐ手元のスマホで使えるようになり、Webアプリも身近になりました。
当初はスマホも貧弱でしたが、だんだんと能力、通信量も強化され、AIイラストもその影響を受けスマホ上からも使えるようになっていきます。
これが2016年以降のことになります。
Googleの「やってみる」
2018年1月のニュースより
ここから一般人でもAIを使えるようになってきました。
それが、Cloud AutoML。現在もGoogle Cloud AIと名前を変えて使る状態です。
AIイラストの光と影
AIイラスト描写によって、敷居は低くなった
現在の評価はこれに近いものでしょう。
2022年8月現在にはなりますが、AIへの評価は概ね以下だと思います。
それっぽい雰囲気を描ける
ディテールは荒い
ユニークな発想ができる
短時間で量産が可能
狙ったものが簡単に生成できるわけではない(呪文/コツがいる)
作者(AI)の制作意図を知ることはできない
光となったのは…
それなりのものは作成ができ、それもそれほど時間を必要としない。
ダメだったら、すぐ次にTryって感じ量産状態も可能。
私みたいな作画ダメダメな人間からすれば、大助かりなことこの上ありません。
逆に影となってしまったのは…
AIは学習が必要です。その学習元となる絵の使用にはいろいろな問題が浮かび上がってきました。
上記の記事にあったようにイラストメーカーやイラストの権利は描き手に帰属しているものの、学習し真似たイラストを使って商売を始めるなどの問題が出てきそうです。
とうとう集団訴訟
こちらの記事によると、問題点はここ
今回の訴訟では、画像生成AIが著作権で保護された数十億の画像で訓練され、アーティストからの補償や同意なしに画像がダウンロードされ使用されている
画像生成AI「Stable Diffusion」と「Midjourney」に対して集団訴訟が提起される - GIGAZINEより引用
著作権に関する問題であり、モデルとして使用するなら許諾を得る必要があるという部分。著作権法期のフリーイラストを使うことが今後の前提となりそうですね。
今後のAIイラスト
まずは権利関係の整理が第一の様です。
日本では…
日本ではこのような動きがありました。
ざっくりとまとめてあるのがこちら。
※PDFファイルのため、リンクのみ
この中から抜粋すると
・データ流出や不正利用を防止する手段として機密保持義務条項、不正アクセス行為の禁止(刑事罰の対象)、不正利用防止の技術導入を推奨
(法律と契約で詰めておくべき内容を公開)
・データ入手、活用については契約にて細かいところも決めておくべき
(ライバル会社への営業データ販売禁止等)
・知的財産権の対象の可否により契約を定めておくことを推奨
(例、対象:プログラム、対象外:ノウハウ、学習済みデータ)
・AIソフトウェア開発の契約方法の提案
(成果が不明瞭になりやすく、学習データの扱いに左右されることからこれまでとアプローチが異なる)
まぁ、結構複雑な話となっていました。
しかし、このガイドラインによりある程度の形が見え、今後の開発や使用に関しての目安ができて楽になったことは喜ぶことだと思います。
AIイラストの著作権は?
逆にイギリスは著作権保護を認めていますが、「作品の創造に必要な手配を行った人間」との合理性が撮れているかは疑問視されています。
日本は、著作権が発生しないと判断しています。要は著作権保護を認めていません。
国によって判断は分かれていますが、今後統一されるかは不透明です。
まとめ
簡単にまとめるとこんな感じになりました。
・それなりに精度の高いイラストができるようになった
・一般人でも扱えるものも増えてきた
・AIを使ったプログラム開発はこれまでとは異なるアプローチとなっている
・学習するためのイラスト取得において著作権問題が発生している
・AIイラストには著作権保護の有無が国によって分かれている
プログラム開発や著作権に関する問題が解決すると、また一段と利用が増えていきそうな感じですね。
【更新履歴】
2023/1/17 新規作成